Fintech企業Kyashによる「決済業界とは?」入門編

Kyashで事業開発を担当しているnozomuです。先日社内で行われたプロダクト1周年のイベントではクイズ王になりました。

突然自慢から入りましたが、普段は事業開発としてKyashのプロダクトや世界観を世に広げるべく様々な事業者様とアライアンス関連のお話をさせていただいているところです。そこではよく「決済業界=複雑・ブラックボックスという印象をお持ちの方が非常に多くいらっしゃると感じています。実際私も別の業界にいた時には全然知らなかったので偉そうなことは言えないのですが、今回は決済業界やカード決済の紹介をさせていただきたいと思います。

決済業界のプレイヤーたち

まず決済に関するプレイヤーの説明です。後ほど図でもお示しいたしますが、先にざっと列挙させていただきます。

プレイヤー 説明
国際ブランド 決済のネットワークやルールづくりを担当。VISA, mastercard, JCB, American Expressなど
イシュアー(Issuer) カードを発行(issue)している会社。ライフカード三井住友カード楽天カードなど
アクワイアラー(Acquirer) 加盟店がカード決済をできるようにしている会社。加盟店の獲得(acquire)や管理を担当。ライフカード三井住友カード楽天カードなど
加盟店 決済手段としてカード決済が利用可能となっている店舗。コンビニ、百貨店、Amazonなど
決済代行会社 加盟店とアクワイアラーのシステム接続を仲介。加盟店とアクワイアラーの契約取りまとめを担当することも。GMOペイメントゲートウェイベリトランスなど
カード会員 イシュアーが発行したカードの保有者、利用者

その他にも業界向けのシステムであるCAFIS を提供しているNTTデータなどのプレイヤーも存在しますが、ここでは割愛します。

各プレイヤーの関係を図で示すと以下のようになります。

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普段我々が何気なく利用しているカード決済も、実はこのようにたくさんのプレイヤーが関連して成り立っています。日本国内はもちろん、海外に行った際にもカード決済が可能なのは、国際ブランドのネットワークやルールが世界共通で存在していて、且つイシュアーやアクワイアラーが各国に存在しているからと言えます。

Kyashは、上記の図に当てはめると、ライフカード社との提携を通じ、加盟店イシュアーの2つの立場でサービスを提供しています。Kyashに登録している手持ちのカードでユーザーがKyashにチャージをする際は加盟店、残高をショッピングに利用する際はイシュアーとして機能しています。

各種カードの違い

次に「クレジットカード」「デビットカード」「プリペイドカード」の違いについてです。
この投稿では「クレジットカード」「デビットカード」「プリペイドカード」の総称として「カード」という言葉を用いていますが、よくカード決済=クレジットカードによる決済と考えられがちです。これは日本においてクレジットカードの発行量がデビットカードプリペイドカードと比較して圧倒的に多いことが要因だと考えられますが、実はどれも同じ、上述した国際ブランドによるネットワークやルールの下で成り立っています。*1
各カードはそれぞれ異なる特徴を持っているのですが、大まかな特徴を以下に記載いたします。

クレジットカード デビットカード プリペイドカード
一般的な発行者 カード会社 銀行 様々
発行難易度 審査が必要なので難易度は高め 銀行口座の開設が必要なので難易度はふつう 審査不要なので難易度は低め
利用可能額 審査の結果与えられた利用限度額の範囲 口座残高の範囲 チャージ残高の範囲

上記の表から、一口に「カード」と言ってもそれぞれ異なる特徴を持つことがお分かりになるかと思います。
ちなみに弊社の「Kyash Visaカード」は、上記カテゴリーにおいて「プリペイドカード」に分類されます。

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アプリ上での発行が可能であるため、発行難易度は他のプリペイドカード と比較してもとりわけ簡単です。
また、Kyashアプリには残高・利用履歴の確認や決済時のリアルタイム通知があるなど、ユーザーにより安心してご利用いただけるような機能が備わっています。
さらにユーザー同士の送金が可能となっているので、お買い物以外でのシーンでもご利用いただけます。


ここまで決済に関する基礎知識の紹介(と、ちょっとだけKyash自体の紹介)をさせていただきました。決済に関してもっと深い話をしたいという方は、ぜひKyashのオフィスまで遊びに来てください。個人的な興味でも、会社としてのアライアンスの話でも大歓迎です!

*1:国際ブランドによるネットワークとは別で、J-Debitという日本独自規格のデビットカードや、スターバックスカードのような、国際ブランドが付いておらず自店舗のみで利用可能なプリペイドカードも存在します。