Kyashでの緊急支援募金の試みについて

Kyashで開発をしている@konifarです。

先日6月18日の大阪府北部地震、7月4日頃の西日本豪雨において、支援のための募金をKyashで募りました。

両方ともすでに締め切っており、大阪府北部地震では支援いただいた 224,664円 でブルーシートと土嚢を購入し、高槻市社会福祉協議会枚方市社会福祉協議会へ送付させていただきました。西日本豪雨については 315,583円 の寄付金が集まり、何を購入するべきか確認中です*1

支援していただいた皆さま、ありがとうございました。

結果については下記のページに記載させていただいています。

「今までにないほど簡単に少額募金できた」という意見もたくさんいただいた一方で、突然の試みに対して少し驚かれたユーザーもいたようです。そこで、今回Kyashが募金の対応に踏み切ったのか、その経緯について簡単に説明しておこうと思います。

CEOがKyashを作ったきっかけも関係しているので、最後に募金を開始した当時のCEOの一言を載せています。時間がない人はそこだけ読んでもいいかもしれません。

実施の決定

6/18 地震発生後、ユーザーから公式アカウントへ震災寄付金に関するメンションがありました。

このツイートは会社のSlackにポストされ、何人かの社員から「やりたいね」といった内容のコメントがついていきました。

それに対して、15:45にCEOの鷹取から実施の意思決定がされました*2

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もともとKyashは「様々な価値の移動を簡単にしたい」という思いで作られたプロダクトで、震災での募金も視野に入れて作られてはいたものの、現状では募金に最適化された機能は提供できていませんでした。そんな中で実施するとユーザーを混乱させてしまう可能性もあります。

とはいえ、実際にユーザーも要望してくれているということ、またKyashとしても実際に支援できるのであれば是非やりたいということで、実施に踏み切ることにしました。

リスクの洗い出し

16:30にミーティングで、CEO、法務、広報、CS、自分の5人でどう実施するのかを具体的に話しました。

寄付アカウントのなりすましについてもこのタイミングで話されました。KyashにはTwitterのような公式バッジはまだありません。もともとユーザー名に『Kyash』という文字は使えないようにしていたものの、なりすましアカウントに間違って送金してしまうリスクはあります。それに対しては、現状自分たちができることを考えた上で次の対策をとることにしました。

1. kyash_idを確認してもらうようSNS、ニュースの文面で注意喚起する
2. 各種SNSでなりすましユーザーがいないかを監視する

また、寄付金の使い道については、現場が落ち着いてからその時に一番必要なものが何かを問い合わせた方がよいだろうということで、いったんどう使うかを明示せずに周知し、後から更新していくことに決まりました。

実施

ミーティング後、作業を分担して寄付用のアカウントの作成や文章の調整などを行っていきました。

募金の終了時期などについても、Slackでやりとりして決めていきました。

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細かい文言の調整やシミュレーションをした上で、20:16にユーザーに周知しました*3

初めての試みに対して戸惑うユーザーもいるだろうということで、公開後しばらくはTwitterFacebookを見ながらユーザーのフォローをしていきました。

これから

今回、Kyashとしても初の試みでうまく機能するか不安な面もありましたが、実際にやってみるとユーザーの皆さんや寄付した先の団体からポジティブなフィードバックをたくさんいただきました。

災害時の募金に限らず、アーティストへの感謝や研究者への応援といったさまざまな形での支援の試みを続けていくにあたって、次のような改善をしていけたらいいなと考えています。

  • 公式バッジの追加
  • Universal Linksを使ってURLから送金
  • アプリ内お知らせでの周知
  • QRコード読み込み画面の使い勝手の改善

最後に、実施の意思決定をした当時のCEOの一言を載せて締めさせていただきたいと思います。


大阪府北部地震 緊急支援募金について】

本日大阪府北部で発生した地震において、Kyashで支援金用アカウントを立ち上げました。以下のQRコードで1円から支援いただけます。

地震で被災された方々及びその関係者の方々に心からお見舞い申し上げます。

Kyashを創ると決めた原体験の一つでもある、東日本大震災時の義援金の存在。支援したい人がたくさんいても、振込の行為自体が煩雑だと、流通が滞る。もっと想いのままに、支援や共感の気持ちを価値と共に届けられたら、世界は変わる。新しい価値移動インフラの必要性。当時銀行員の自分が感じていた業界課題が、いつの日か自分のライフワークになっていました。

感謝・共感・応援、さまざまな感情を載せた価値を、想った通りに届けられるような価値移動の仕組みを創って行きます!

*1:詳しい使いみちは、決定次第ホームページやSNSを通じて報告します

*2:「差し込みの仕事いきなり入ってきて辛そう」と感じる方もいるかもしれませんが、社員自身もやりたい試みではあったので特に嫌な空気ではありませんでした。

*3:こちらの募金はすでに締め切っています