Kyashでコミュニケーションデザイナーとして働いている佐藤です。
Kyashのデザインチームとしては、我々のクリエイティブやチームに関することを発信していく予定ですが、今回の記事では
フリーランスのWebデザイナーからインハウスとして勤めるに至った理由などの、個人的な点について書きます。
- フリーランスになり、そして辞めた理由
- Kyashに入社した理由
- Kyashにおいての「コミュニケーションデザイナー」の役割
2019年10月にKyashに入社し、はや2ヶ月が経過しました。 デザイナーのキャリアパスとして、将来の課題感やあり方の一例として、休憩や出勤・帰路の暇つぶしにでも読んでみてください。
キャリアと、2年半のフリーランス
わたしのキャリアは、情報商材のプラットフォームを開発したベンチャー企業のデザイナーとして、ほぼ実績もないまま採用いただいたことから始まりました。 (ベンチャー企業ですが、デザイナーの職務は今の一般的なスタートアップのインハウスデザイナーとは少々異なるかたちでした。詳しくは割愛します)
3年弱ほど勤務し、制作会社に転職します。 居心地は全く悪くなかったのですが、このまま環境を変えないことがスキルアップ、キャリアパス構築の障壁になるだろうと自分なりに感じていました。
2社目はいわゆる制作会社。プランニングからWeb、グラフィック、キャラクター制作、さらにはCMなどまで一貫して課題発見から解決までのソリューションをクリエイティブで提供する会社でした。 とくに採用ブランディングに強みを持っており、その中でクリエイティブの質の追求と、感性的なアウトプットの考え方を学びました。
その後、フリーランスに転向します。
企業が社会に貢献する活動を、「同じ目線」で考えてアウトプットしていくことをWebデザイナーとしての目標にしていました。 それまでの経験では、業界特有のデザインが「売れるであろう」というデファクトスタンダードになっていたり、ウォーターフォールの受託制作でクライアントが意思決定権を持っていたことに課題を感じていました。*1
クライアントのビジネスは、クライアントがプロフェッショナル。では、デザインのプロフェッショナルである私達は、なぜクライアントの好みでソリューションを変えなくてはいけないのでしょうか?
これを自分の関わる案件において、変えたかったのです。デザインに意図があり、意図があるから一貫していて、一貫しているから振り返りができ、だから、企業のネクストアクションに繋がる。そう考えていました。
収入は上がったが、意外にうまくいかなかったフリーランス生活
記事を読んでいただいてる方の中にはフリーランス転向を検討している方もいるかもしれません。 やはり気になるところかと思うので先に申し上げておくと、収入は上がりました。 収入の目標をなんとなく立て、市場と比べ価格をどの程度に設定するか検討しておけば、おそらく会社員のときより手取りベースでの月収があがるでしょう。波があるのはもちろんのことですが。
そんな滑り出し。理想像はありつつも、しばらくしてあまり環境が変わっていないことに気づきました。
依頼者とアウトソーシングされたデザイナーの間の壁や、案件に対し必要とされる裁量を上回ることができませんでした。 依頼者側は人が足りなくてアウトソーシングするわけなので、それは当然な出来事なのですが、依頼者むしろ対企業において、「外注」以上の存在になることができていませんでした。
手段は色々あり、打破して上り詰めるケースもありますが、「わたしのもつスキルセットと市場からの見え方では、このまま戦い続けても変わらないな」と感じました。
異なる案件に毎回デザインだけでクライアントと関わるのではなく、業界においてのビジネスパーソンとして対峙し続ける。そして絶えず変化のある環境で積極的に巻き込まれていき成長することに可能性を感じるようになりました。
Kyashとの出会い
とはいえ、しばらくはモヤモヤしたままでした。
良いおつきあいをしていた企業もあり、不定期ながら複数の企業から案件のご相談をいただいていたので、しばらくはやっていける見通しがありました。
そんな中でKyashに興味を持ったのはWantedlyからスカウトをいただいたことがきっかけでした。
かねてからスタートアップ企業や自社プロダクトに関わることに興味があったので、話を聞きに行くことにしました。 チームのメンバーがプロダクトの可能性を信じて取り組む様子、そしてその想いのたけを聞くうちに、さらに興味が湧いていきました。
Fintechという業界に特別な関心はなかったので決めあぐねていたのが正直なところでしたが、決め手は「Kyashはライフスタイルサービスだ」というプロダクトマネージャーの一言でした。
ただの金融業界のスタートアップではなく、「お金のあり方を変えることで、新しいライフスタイルを創る」。 なんかいいな。それ、やってみたいな。
ここで入社する意思を固めました。
Kyashの「コミュニケーションデザイナー」
フリーランスとしての制作を終え、Kyashでは「コミュニケーションデザイナー」という肩書で勤めています。 これは「Webデザイナー」「グラフィックデザイナー」などと具体的な職域を定める肩書にすることで取り組みが限定されてしまわないための表現です。Kyash全体に関わっていくデザイナーという意味合いです。 (Kyashでは「UI/UXデザイナー」という肩書きがなく「プロダクトデザイナー」という表現なのですが、同様の意図。)
コミュニケーションデザイナーの職務はWebやグラフィックデザインですが、ミッションとしてはコーポレートブランディングやクリエイティブによるメッセージ形成を担う役割です。
社内は「Kyashのスペシャリスト」で溢れており、日々新しい目線での議論が絶えず、刺激的かつ有意義に正社員として過ごしています。
おわりに
フリーランスとして活動したWebデザイナーが、スタートアップで働くまでの葛藤といまを綴りました。
2019年11月現在では、まだわたし自身の大きなアウトプットはありませんが Kyashは日本の金融や、そのさきのライフスタイルをアップグレードするために常に変化していきます。 そのため、わたしと同じ「コミュニケーションデザイナー」のポジションに力が必要です。
デザインの形づくるメッセージで、既存の金融ひいては「お金」をアップデートしてライフスタイルを変えていきませんか。
もし興味があったら、ぜひコーヒーでも飲みながらオフィスでお話をしましょう。
余談ですが自家焙煎するほどコーヒーが好きなので、コーヒーに期待するついでのお話でも結構です。コーヒースタンドで肩肘張る人はいませんので、ゆるりと雑談しましょう。
*1:厳密にはウォーターフォール型は上からの指示を覆せないものではないらしいのですが