Kyashミーティングガイドラインを公開しました

Kyashの @konifar です。
この記事は Kyash Advent Calendar 2022 7日目の記事です。

社でミーティングのガイドラインを作って半年くらい経ったので経緯や運用の話を書きます。
内容はGitHubリポジトリで公開しています。

github.com

なぜ作ったか

なぜ作ったかというと、ミーティングの質を一定レベルまで引き上げたかったからです。
Kyashは100人規模の組織になり、1on1や雑談の中で次のようなミーティングに関する課題をチラホラ聞くようになりました。

  • 開催理由が事前にわからない
  • 参加人数が多すぎる
  • 時間内に終わらない
  • 決まったことの認識が擦りあっていない
  • 議事録がない、または共有されない

程度の差はあれど、どの会社でもよく聞く課題だと思います。この解決策のひとつとして、「Kyashではミーティングはこうあるべし」という指針をまとめたガイドラインを作って運用してみることにしたという経緯です。

なぜ指針をまとめることにしたか

実は以前にも同じような課題を改善しようとしたことが何度かありました。

たとえば、ミーティングのドキュメントテンプレートを作ってみたことがあります。会議の種類、目的、ゴール、議題、決定事項といった項目を事前に埋めておくことで内容が整理され、参加者の目線を揃えることができます。また、事前にテンプレートの項目を確認することでそもそもミーティングをする必要もないと気づけることもあります。

これまで在籍していた2社で試してみましたが、結果としてテンプレートはうまく機能しませんでした。理由は色々ありますが、『記載される内容の質が人に依存する』というスキル面の問題もありましたし、『テンプレートがあっても事前に準備がされない』といった意義の理解の問題もありました。

その経験から、テンプレートといった方法論の浸透ではなくそれ以前のミーティングそのものに対する認識を揃える必要があるんじゃないかと考え、何人かのメンバーと相談をして「じゃあ一回まとめてみるか」ということで指針の叩きをガッと作ってみたのでした。

どう作っていったか

たたき台をGoogle Docsにまとめてメンバーから広く意見をもらってブラッシュアップしました。Kyashではそういった生煮えのアイデアに対して意見をくれる人がまあまあいるので、自分はそういう進め方をすることが多いです。

実際に、意見を求めてすぐに何人ものメンバーからコメントをもらいました。

作成する上では、運用を考えて以下を意識しました。

  • 指針の数は最低限にする
  • 指針ごとに具体例を書く
  • 今後も更新されていくことを明記する

もらった意見を取り入れて、最終的に ミーティング前ミーティング中ミーティング後 にセクションを分けて9個の指針を定めました。詳細はこちらをご覧ください。

ミーティング前

1: オーナーを明確にしよう
2: ミーティングが必要かをよく考えよう
3: ゴールを明確にしよう
4: 参加する理由を明確にしよう

ミーティング中

5: カメラはできるかぎりオンにしよう
6: 決まったこととNext Actionを確認しよう
7: 終了時間を徹底しよう
8: 必ず議事録を残そう

ミーティング後

9: 議事録を共有しよう

どう運用しているか

全社ミーティングで説明をして運用を開始しました。今は入社時のオンボーディングプロセスのひとつとして目を通してもらうことにしています。

定期的に周知しないと浸透していかないので、何度かSlackで周知したりもしていました。
ただ、こういったガイドラインは常に毎回見返すようなものではなく、ミーティングに課題を感じた時に同じ目線で話をするためのツールとして機能すればよいと考えています。

運用し始めて半年くらい経ったので、そろそろアンケートか何かで効果を確認して内容もブラッシュアップしてもいいかもしれませんね。

特に、 5. カメラはできるかぎりオンにしよう の指針は変更の余地がありそうです。"強制ではなく推奨"だとしても強く反対したい人、意義を感じない人は一定いるのではないかと思います。

もともとこの指針はGitLabのWebミーティングの注意点のひとつ「カメラはデフォルトでオン」と個人の経験に即して取り入れたものでした。一方でこの分野はさまざまな研究がされているらしく、次のようにカメラはオフの方がよいという説もあります。

Kyashでも運用して1ヶ月くらい経った時にあまり意味がないのではないかと考えて、簡単なアンケートを取ってみたことがありました。

この時はさまざまな意見が出ましたが、残したいという人も一定いたので、いったん全社ミーティング (All hands) をカメラON推奨でやってみることにしました。

実際にやってみた後でGoogle Formsでアンケートを取ったところポジティブな意見が多かったので、「あくまで推奨で強制ではない」ことを明記した上で現状はこの指針を残しています。

今後も色々な意見が出てくるとは思いますが、 まあやってみて気づけることも多いし定期的に振り返って変えていけばいいんじゃないか と考えています。

なぜこの記事を書いたか

取り組みと社の雰囲気を知ってもらえるといいなと思い書いてみました。採用もやっているので、興味を持ってもらえたら嬉しいかぎりです。

Kyashでは会社の仕組みもプロダクトも皆で作っていっています。「まずやってみる」みたいな動きが好きな人にはわりとオススメできる環境だと思うので、興味がある方はDMでも応募でもぜひ気軽に連絡をお願いします!