Kyashの現状の課題とCRE募集ページの解説

Kyashで開発をしている@konifarです。

先日、KyashでCRE(Customer Reliability Engineering)の募集を開始しました。

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CRE*1って何ぞや?という人も多いですよね。仕事内容や募集要件は簡潔に記載していますが、もう少し現状の課題や働き方のイメージを伝えた方が興味を持ってもらいやすいと思うので、より噛み砕いて説明します。

言い換えると、「もっと多くの人に興味を持ってもらえるように詳しく解説するよ!興味がわいたら応募してくれ頼む!」という趣旨の記事です。よろしくお願いします。

なぜCREチームが必要か

募集ページの仕事内容を見てみましょう。

CRE(Customer Reliability Engineering)チームは顧客の信頼の最大化がミッションです。決済や送金サービスを開発・運営しているKyashでは、顧客の期待値に満たない場合に迅速に問題を解決することが必要不可欠です。Kyashのカスタマーサポートチームの生産性を向上したり、そもそも顧客が不安になるような原因を改善していく業務に携わっていただきます。

Kyashは2018年のリアルカード発行以降ユーザー・決済数ともに急激に伸びており、問合せ対応や決済業務の効率化といった直近の課題に向き合う必要性が徐々に高まってきました。また、長期的にみてもユーザーに安心して使っていただくために信頼性を技術で支える役割を作っておくべきだよね、という考えからCREの募集を開始しました。

サービスを運用した経験のある方であればなんとなくイメージがつくかと思いますが、サービス自体の成長を優先して運用の改善が後回しにされがちですよね。程度の差はあれど、Kyashもその問題に直面しています。今まではエンジニアチームのメンバーがサービスの開発と並行して問合せや決済業務の改善に取り組んできました。しかし、事業の急激な成長に伴い、今のチーム体制ではその2つのバランスを取りづらくなってきています。

問合せ対応を受け持つオペレーションチーム(以下OPSチーム)が日々業務の中で溜めている運用の知見を活かして、ツールやプロダクトを改善していくサイクルをうまく回せておらず、とても歯がゆい状態です。本来であれば、少し長い時間をとってOPSチームに寄り添って業務を理解し、数字を追いながら継続的な改善の体制を整えていきたいところです。

また、OPSチームの業務の改善だけではなく、「そもそもユーザーが問合せしなくても済むようにできないか」といった視点でも考えていかなければなりません。課題の本質を見極めて、ユーザーからの信頼を向上するためにもっともよい解決策を実行するといったアクションが求められるため、『サポートエンジニア』のような名前ではなくより広い意味合いの『CRE(Customer Reliability Engineering)』で募集しています。

入社したら何をするのか

もう少し具体的に、何をやっていくのかという話をします。

結論から言うと、短期的には解決するべき課題はたくさんあるものの、長期的には何をするべきかそこまで明確に定まってはいません。KPIやロードマップの策定も含めて取り組んでいただくことになると思います。

入社してすぐに期待されているのは、現状課題の多い問合せや決済業務の根本的な改善、効果測定の仕組みの構築といった取り組みになります。

正直な話をすると、技術的には小さな改善でも劇的な効果をもたらすタスクも埋もれています。管理画面の改修のようなタスクはつらそうだなぁと思われるかもしれませんが、社内のメンバーにもユーザーにもめちゃくちゃ感謝されることは間違いないです。

CREという役割でなくとも、普段からそういうタスクに取り組んでいるし得意だという人もいるのではないでしょうか。実は自分もわりと好きな方で、自分の改修でOPSチームから感謝されたり、その結果としてユーザーからもポジティブなフィードバックがくるとテンションが上がります。Kyashでは社内のメンバーからもユーザーからもダイレクトに意見が伝わってくるので、そういった日々のフィードバックが仕事のモチベーションになる人にはオススメできると思います。

よくある質問

募集ページを読むだけの状態よりは、なんとなくイメージがついてきたでしょうか。ここで、よく聞かれそうな質問に対する回答をいくつか載せておきます。

今どんなフローでOPSチームと連携してるの?

フローについては日々改善しているのでおそらくこれからも変わると思いますが、現在はZendeskで問合せを受け、OPSチームが返答しています。エンジニアチームに聞かないとわからないものがあったときはZendeskのプラグインからJiraに起票し、エンジニアチームは毎朝状況を確認して対応しています。

管理画面は自前でスクラッチで作っています。Goのテンプレートエンジンがつらくて最近Vue.jsとVuetifyを入れました。ベースが2017年のリリース当初の状態のままなので、現在のOPSチームの業務の流れに沿った管理画面になっていない部分もあります。そのあたりの要望も、OPSチームからJiraに起票してもらっています。

Slackには#user-voiceというチャネルがあり、そこにユーザーの声を拾って雑に投げています。そこから議論に発展し、バックログに積まれることも多いです。

コミュニケーション上手じゃないとつらい?

募集要件の「求める人物像」のところにはこう書いてあります。

エンジニア以外のメンバーと一緒に前向きな議論やコミュニケーションが出来る方

正直に言えば、無駄に衝突するような意見のぶつけ方をしがちな人はあまり向きません。OPSチームやユーザーの意見を聞きながら、時に他のチームとも連携して改善を進められる人の方が成果を出しやすいと思います。

飲み会やランチに積極的に参加するようなコミュニケーションは必要ないですが、課題の解決のために前向きに議論を進められる人でないとストレスを感じることもあるかもしれません。ここらへんは、お互いにミスマッチのないよう面談・面接で慎重に認識をすり合わせたいと思っています。実際に密にコミュニケーションを取ることになるOPSチームのメンバーと話をしてみることも可能です。

裏方っぽい仕事が多い?

管理画面の改修を例に出したため、なんだか裏方っぽいなぁと思われるかもしれませんね。捉え方次第なんですが、実際にはそんなことはないと思います。中には、事業の収益性をも大きく改善できるくらいのインパクトのあるタスクも転がっています。

また、仮に裏方だとしても、社内のメンバーにめちゃくちゃ喜ばれるタスクが多いです。社内の雰囲気を知らないと内輪ネタみたいになってしまうので説明しづらいのですが、Slackのリアクションも活発に飛び交い、お互いを称え合う空気感はあると思います。身近な人が喜んでくれる仕事をするのが好きという人いますよね。そういう人はおそらく向いています。

技術的な挑戦をしにくい?

既存コードの細かい改修ばかりで技術的な挑戦をしにくいのではないかと思う人もいるかと思います。正直に言えば、最初のうちはOPSチームの要望を聞きながら細かい課題の解決が中心になるかもしれません。

ただ、CREとして期待する仕事には、もう少し中長期的な視点でのプランニングも含まれています。例えば、管理画面の改修スピードをあげるために業務に沿った形でリアーキテクチャして作り直したり、OPSチームの生産性をあげるために問合せフローに機械学習を取り入れるといったところにも手をつけられます。

要は進め方次第で、課題の解決方法として納得感のあることであればコストをかけて新しい技術を取り入れることも可能です。そういった技術への理解は、経営陣やEMにもある方だと思います。

興味がわいたら応募お願いします

Kyashの現状とCRE募集について、なるべく包み隠さず説明しました。

CREは今はまだできたてほやほやのポジションですが、エンジニアリングを武器にしてユーザーの満足度を上げ、プロダクトおよび事業の成長につなげる欠かせない役割になります。CREという役割で仕事をしたことがなくても、一緒に働くメンバーが喜ぶのがモチベーションになる人、技術をを使って幅広く問題解決するのが好きな人はおそらく向いています。

Kyashで1人目のCREとして、ユーザーに信頼されるサービスを一緒に育てていきませんか? もし興味が湧いたら、下記から気軽に応募してください!

open.talentio.com

上記のフォームから応募するのはちょっとハードル高いなぁという方は、下記から連絡いただいても大丈夫です。よろしくお願いします!

bosyu.me

*1:CREは、2016年にGoogleが提唱した専門職です。詳しくはこちらの記事を参照してください。