Kyashの全社会議"All Hands"が2021年にやったこと

これは Kyash Advent Calendar 2021 の23日目の記事です。

Kyashでカスタマーサポートを担当しているすーもです。この記事では、Kyashの全社会議「All Hands」の1年間を振り返ります。2020年の取り組みについては『KyashでやってるAll handsの話』で紹介していますので、ぜひご覧ください。

All Handsとは「All hands on deck」の略で、船上で使われていた言葉です。「全船員が甲板に集まる」を意味します。翻ってKyashでは「全メンバーが集まる情報共有の場」をAll Handsと呼んでいます。

All Handsの運営は有志の社員で行われています。運営メンバーは所属チーム、ポジションを問わず組織横断的に結成されています。現在は10人弱が参加しています。私は2020年の7月から参加していて、気がつくと古参メンバーになっていました(笑)

本題に入ります。2021年のAll Handsは、「ある目標」を据えて運営をしてきました。以降では、「ある目標」を据えるに至った経緯と結果どうなったのか?を紹介します。Kyashの文化に触れることができる内容ですので、ぜひ最後まで読んでください。

2020年の振り返り

2020年のAll Handsは「インタラクティブな場づくり」を目指していました。Yanaiさんが記した『KyashでやってるAll handsの話』に書いてある通り、リモートワーク環境や組織体制の変化に適用する会議体に仕上げつつ、双方向性を高める取り組みを行いました。

昨年末、All Handsへの意見や要望を募るべくアンケートを実施した結果、All Handsは「インタラクティブな場」であると感じている社員が多いことが分かりました。

Googleフォームで集計、「できていなかった」の回答は0件

フリーコメントを読むと、特定のコンテンツへの賛否や各回でクオリティに差がある等、まだまだ改善点があることを受け止めつつも、次なる目標を設定してもいいんじゃないかと考えるようになりました。

2021年の取り組み(1~3月)

2021年に突入します。3月までは昨年の運営を踏襲していましたが、新たにチャレンジしたことが2つあります。

1つ目は「パネルディスカッションコーナー」です。経営陣であるCxOとAll Handsの運営メンバーがテーマを決めてディスカッションをするというコーナーでした。

議論が盛り上がり大幅に時間が押すことも暫しありましたが、CxOの思考の深いところに触れることができ、「もっと聞きたい!」という声も少なくありませんでした。しかし、登壇者が属人化していた点と事前準備の多さから3月で終了となりました。

2つ目は「ライブチャット」です。昨年はZoomのチャット機能で参加者がリアクションをしていましたが、今年はSlackチャンネル「#all-live-allhands」を用意しました。Slackに切り替えたことで、毎回のリアクションが記録でき、振り返りが容易になりました。

絵文字でリアクションもできるため、コメントをする人数や量が増えたと感じています。時折、大喜利のようなムーブが巻き起こり「発表ちゃんと聞いているの?」みたいなやり取りも発生します(笑)

2021年の取り組み(4月)

4月に入り、All Handsを「インタラクティブな場」から前進させるべく、運営メンバーで話し合いをしました。Webホワイトボードツールを用いて喧々諤々と意見を交える中で、「All Handsの目的は何なのか?」という議題に行きつきました。結論、All Handsの目的は3つに纏まりました。

  • 企業の風土づくり、ビジョンの共有
  • 人材育成としてのコミュニケーション促進
  • 情報公開をする場

「情報公開をする場」はこれまでも注力していたので、2021年は「ビジョン共有や風土づくり、コミュニケーションの促進」を目指すことに決めました。

運営メンバーでの話し合い(一部加工)

2021年の取り組み(4月~現在)

「ビジョン共有や風土づくり、コミュニケーションの促進」を達成するために、次のようなコンテンツを設けました。

【頻度】週次 【日時】金曜日の夕方45~60分 【場所】オンライン(Zoom)

  1. アイスブレイク
  2. 入社メンバーの紹介
  3. 社内アンケートの結果発表
  4. サンキューコーナー★
  5. VOC(Voice of customer)共有★
  6. KR(Key Results)コーナー
  7. プロダクトチームからの共有★
  8. チーム発表コーナー★
  9. 各部署からのお知らせ
  10. CxOコーナー
  11. エンディング★

4月から現在までマイナーチェンジはありましたが、11のコンテンツが執り行われています。中でも「★」を記した項目は新しく始めたコンテンツです。以降では新コンテンツの説明とねらいを紹介します。

なお、「★」以外のコンテンツは去年から続いているため本記事では割愛します。詳しくは『KyashでやってるAll handsの話』に書かれていますので併せてご覧ください。

サンキューコーナー

期待以上の動きをしてくれた人や、純粋に感謝を伝えたい人に「ありがとう」を送るコーナーです。Slackの投稿に指定の絵文字を押すことで、運営メンバーに通知が届きます。投稿数が多い週は、「特にこれは伝えたい!」と思う投稿を抜粋して紹介します。

サンキューコーナーの通知(一部加工)

VOC(Voice of Customer)共有

お問い合わせフォームに届いたお客さまの声を共有します。感謝や満足・要望や不満の2パートに分けて毎週4~6件をお届けしています。機微情報以外は加工せずにありのままの声を伝えることで、お客さまの声に向き合う風土を醸成しています。

プロダクトチームからの共有

プロダクトマネージャー(PdM)を中心に、開発中のサービスの話やプロダクトビジョンについて語ってもらうコーナーです。進行中の施策があれば「なぜやるのか?」をPdMが熱弁したり、新機能のデモンストレーションをしたりしています。

チーム発表コーナー

組織図上のチームごとに日ごろ行っている業務や今後について発表してもらうコーナーです。相互理解やコミュニケーションの促進を目的として始めました。毎週1チームが発表をしています。プレゼンターも新鮮で各チームの個性が溢れるコーナーです。

エンディング

CEOの鷹取さんが自由にお話しするコーナーです。生の鷹取さんという意味で”生takaコーナー”という愛称も付いています。いい意味で堅い雰囲気は無く、ライブチャットで気軽に質問もできるため、全コンテンツの中で一番チャットが盛り上がります。

取り組みの結果

今年10月に行ったAll Handsアンケートの結果は、8割くらいが「ビジョン共有や風土づくり、コミュニケーションの促進」を実感していることを示していました。一方で実感できていないメンバーがいることも浮き彫りになり、まだまだ道半ばであることを確認しました。

Googleフォームで集計、「できていなかった」の回答は0件

各コンテンツへの感想や意見も募ったところ、「VOC共有」と「チーム発表コーナー」でポジティブな意見が目立ちました。

VOCの共有は、たとえ耳が痛い意見や要望であっても、経営陣を含め会社として顧客の声を受け止める姿勢は、Kyashの文化として浸透しつつあるかなと感じています。

カスタマーサポートチームに所属する私としては、「全社にVOCを届けて満足」ではなく、サービス改善に活かす取り組みも行っています。

  • ユーザーの声を機に社内の優先事項も良い意味で入れ替わったりするので、引き続きやっても良さそうですね。

  • とてもよいと思っています!フィードバックの内容を改善していっているのかという結果がそろそろ気になってくるなとは思いました。

2021年12月現在、Kyashの働き方はリモートワーク環境がメインのため、チーム発表コーナーは「他部署との接点を持ちにくい」という課題を解決するのに有効なコンテンツであることが分かりました。

チームは20以上あるため、まだ全チームの発表は完了していません。2022年は発表を聞く側だけではなく、発表する側の満足も得られるよう工夫をしていきたいです。

  • 面白いので定期的にやったらいいと思う。ただし、負担にならないように枠を小さくしてもいいと思います。

  • 知らない仕事がしれてたのしいです。ただ準備コストと発表チームの調整コストが高そうで運営メンバーが大変そう。内容としては面白くて助かってます。

まとめ

この記事ではKyashのAll Handsが2021年に取り組んだことを紹介しました。2020年は外部要因に左右されつつも「All Handsのあるべき姿」を定義し、今年は「あるべき姿」を具体的にすることで、組織のカルチャーづくりの場を目指しました。

来年も「ビジョン共有や風土づくり、コミュニケーションの促進」は変わらず目標になると考えています。最後に、私がAll Handsの運営をする中で気付いたことを記します。

一言で表わすと、リモートワーク環境が続くにつれてAll Handsの重要性が高まっていることです。方々で言われていることですが、当たり前に出社していた時代に比べ、横の繋がりが希薄化しました。そんな中で全メンバーが一堂に会する場は希少であり、大切な時間になっていると実感しています。

一方で全メンバーに向けた発信を心がける故に、抽象度が高くなってしまうという課題も感じています。特にビジョンやミッションに関する発信は、全参加者に伝わるよう調整された内容になるため、物足りなさを感じるメンバーもいると考えています。

全員が集まる空間自体が稀有になることで、一回一回のAll Handsの重要さが増しています。だからこそ、より多くの社員が満足できる会議体にしていきたいです。

さいごに

Kyashでは一緒に働く仲間を募集しています。組織のカルチャーづくり、ひいてはKyashのビジョンやミッションに共感いただける方のご応募をお待ちしています。 herp.careers