Kyashが大切にするクラフトマンシップについて

この記事はKyash Advent Calendar 2021の25日目の記事です。 Kyash創業者の鷹取です。

今年の振り返り

早いもので2021年もあと数日で終わりを迎えようとしています。去年のアドベントカレンダーでは「Kyashは口座をソフトウェア化する」について書きました。その象徴的な取り組みとして、ちょうどつい先日Kyash法人送金をリリースしました。(ニュース記事)チームで構築しているこの送金インフラがさらに大きく社会に貢献できる確信を持つ年になりました。Kyashのミッションである「価値移動のインフラを創る」取り組みを前に進めていきます。 法人送金サービスについて少し補足しますと、今般開始したKyashの法人送金は、デジタルウォレットアプリとしての「Kyash」の利便性向上を目指したもので、昨年事業の一部を譲渡したことを発表したホワイトラベル(OEM)の法人向けカード発行ビジネス「Kyash Direct」とは異なります。

Kyashのクラフトマンシップ

さて、今年のエントリーはKyashが大切にするクラフトマンシップについてです。ここではクラフトマンシップを、合理的なサービス作りに留まらず、「ユーザーの期待を越えるプロダクト創りにコミットする姿勢」とします。それはスピードであったり、圧倒的に簡単な体験だったりと要素は様々あります。 今回は、このクラフトマンシップを貫く上で、Kyashのテクノロジーとデザインが果たしている役割がとても大きいことを書きたいと思います。

Kyashはプロダクトカンパニー

Kyashはプロダクト中心の会社でありたいと思っています。まずは価値観の背景についてです。

これは私自身の生い立ちに関係があると思います。私の母方は大阪で100年以上営む寿司屋をやっています。こだわって握る一貫でお客様に笑顔になって欲しいという祖父や叔父の想いを聞いて育ちました。ウェブサービスやプロダクトも、寿司屋と同じだと感じることがあります。寿司屋でいう店構えをどうするかは、プロダクトでいうUI(インターフェース)であり、店内の空間や寿司の味はUXや利便性であると。インターネットという住所のない場所でプロダクトを提供し、サービスの中ではユーザーの皆さまを私どもが直接お出迎えすることが叶わない環境だからこそ、プロダクトの体験やユーザーの心情に一層想いを馳せたい。これこそがKyashの消費者(C向け)ビジネスの醍醐味だと思うのです。そしてこれがユーザーの皆さまに支持いただけるレベルで実現できれば、ウェブサービスの強みを発揮して、より多くのお客様にご提供することが可能になります。 このプロダクト造りにおいて、テクノロジーとデザインが果たす役割は実に大きいです。メニューがわかりづらく、注文しても待ち時間が長いお店にお客様は戻ってきません。同じように、ウェブサービスでは、いかに直感的でストレスがないプロダクトの体験を創れるかが問われてます。そのレベルをいかに高められるか、従来の常識に囚われずにユーザーの期待値を越えられるかが面白味でもありチャレンジだと思っています。

テクノロジーチャレンジ

Kyashは、自社でKyashカードを利用した世界中の決済を処理するシステムや個人間送金システムをエンジニアがゼロから開発してきました。金融の世界は、ベンダーが構築するパッケージシステムを使用することが多いのですが、提供できる体験に多くの制約がかかるためです。モバイルアプリケーションよりも一段低いレイヤーで金融インフラ自体の技術を創っていることから、創り出したい体験に対する自由度が極めて高いという大きな強みがあります。他方で、機能のラインアップが増えることで発生する複雑な処理やサーバー負荷をコントロールし、直感的でストレスのない体験を維持する必要があります。Kyashには、日々技術的な研鑽を積み、汎用性が高くスケーラブルなアーキテクチャを追求し続けてなるべく早くユーザーに価値を届けようと取り組むエンジニアチームがあります。実際に金融業界出身のエンジニアはほとんどおらず、ウェブサービスとしてのKyashによってユーザーの暮らしに貢献しようとするエンジニアが集まっているのは、Kyashの大きな特徴でもあり強みになっています。

デザインチャレンジ

プロダクトの体験という意味で、Kyashのデザイナーが果たす役割は大きいです。デザイナーは、「ユーザーの課題を解決する」というとても大きなミッションを持っています。その中で、Kyashが担うテクノロジーの深さから、変えられる要素が大きいため、体験のアクセントをどのように設計するかとても悩ましいところだと思います。Kyashのデザインチームは、プロダクトでできることが増える途上にあるとき、その時々でどのようなカスタマージャーニーを理想とするのかを考え抜き、プロダクトやクリエイティブに落としています。Kyashの直感的なプロダクト体験が提供できているのは、Kyashのデザインチームの貢献によるものが大きいです。またKyashは、社会的な意義をどのように捉えるのか、そして未来のお金と人間との関わりをどうデザインするのか、といったインダストリーデザインの要素があります。この領域に関しては、今後デザインチームと共に掘り下げていき、発信を増やしていきたいと考えています。

Kyashのビジョン

Kyashは、世の中でも最も色がなく、無機質の象徴とされる「お金」をテーマに挑戦しています。私自身が元銀行員として業界が抱える課題を認識していることもあります。ただそれよりも大きな要素として、Kyashのチームは今まで「システムを正しく動かすこと」が最優先だった金融サービスを人間中心(Human-centered)に再設計していきたいと考えています。 その意味で、Kyashはフィンテックでありながらライフスタイルサービスだと捉えています。人びとの暮らしの中で介在するお金はどうあるのが良いのか、暮らしが良くなるのか、を考えながら今後もプロダクトを創っていきます。ワクワクする理想の体験が求めるテクノロジーやデザインに対して期待されるレベルはとても高いのです。このようなプロダクト創りを通じて、ちょっと先の未来をもたらすミッションに興味を持っていただけそうなデザイナーやエンジニアの方、ぜひお話をさせてください。

herp.careers

来年のエントリーでは、Kyashは何を変えたのか、ユーザーの暮らしに貢献したポジティブな変化について書けるような年になるよう、Kyashのチーム一同努めてまいります。