「お金をまもる」をスマホひとつで。Kyashの新機能【カード設定】のご紹介。

Kyashのプロダクトマネージャーをしている荒井です。 2月末にリリースされたカード設定機能について、企画の背景とともにご紹介させていただきます。

便利なカード設定について知っていただくとともに、Kyashのプロダクト開発がどのように行われているのかなんとなく伝わると嬉しいです。

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機能のご紹介

まずはじめに、カード設定機能についてご紹介させていただきます。

決済限度額

1回および1ヶ月での決済限度額をそれぞれ1,000円単位、10,000円単位で設定できます。

Kyash Cardの決済上限は1回30万円、1ヶ月100万円となります。 一般的なクレジットカードの平均月間決済額は約55,000円程度と言われており(※ )、Kyashのメインユースケースが日常的な決済のユーザーにとっては、この上限金額は高すぎて使いすぎや紛失・盗難時の対応に対して不安を感じてしまうかもしれません。

普段のKyashの利用傾向に合わせて、自分で自由に1回および1ヶ月での決済上限を変更できる。そんな機能になります。

※出典:クレジットカードに関する総合調査 2019年度版

オンライン決済

カードの不正利用の傾向として、実店舗よりもオンラインでの被害が圧倒的に多いと言われています。

KyashをECサイトなどのオンライン決済でご利用いただくケースは非常に多いですが、使うときだけ設定をONに、使わないときはOFFにしておくことで、より安全にご利用いただけます。アプリを起動して2タップで設定ができますので、ぜひご活用ください。

※もともとオンラインショップだったお店が実店舗に業態変換した場合や、QR決済などウォレットサービスにKyashを紐付けて使用される場合など、決済時にオンライン決済かどうかを判定できないこともあります。

オンライン決済というラベルとスイッチの関係性が分かりづらいというご指摘をいただき、直近のアップデートで修正予定です。

海外実店舗決済

Kyash Cardのみで設定可能な項目ですが、文字通り海外の実店舗での決済のON/OFF機能です。

Kyash Cardは海外での利用もできますので、ご自身で海外へ行かれた際には設定をONに、日本に戻られたら設定をOFFにするという使い方が。

※海外オンラインショップでの利用については、前述のオンライン決済で設定してください。

カードロック

カード自体をロックする(=一時的に利用不可にする)、以前からあるKyashを代表する機能の一つですが、カード設定がリリースされるのと同時にウォレット画面の上部に移動し、1タップで設定・解除できるようになりました。

クレジットカードを紛失した際に、コールセンターに電話して利用を停止、カードの再発行依頼をした後にカードが見つかったなんていう話はよく耳にします(私も経験あります)。

Kyashなら自身の手で設定を変更できるので、カードロックのON/OFFに切り替えるだけで済みます。

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Kyashのプロダクト開発 〜カード設定機能開発の裏側〜

次に、カード設定がどのように生まれ、リリースに至ったか、プロダクト開発の裏側をご紹介させていただきます。

機能要件のたたきを作ってチームに共有

Kyashでは社内情報共有ツールとしてKibelaを使用しており、ミーティングのアジェンダ・議事録から、新機能の要件定義、書籍の感想など、あらゆることをKibelaにテキストで残すことを徹底しています。

私自身、思いつきレベルの機能追加や改善案でもとにかくテキスト化するようにしていますが、カード設定機能の記事を掘り起こしてみると、2019年10月が始まりでした。

何を作るかだけが先行しないよう、何のために誰に向けて作るのかなどをあとで見返せるように、解決したい課題やその背景、ターゲット、ユーザーに届けたい価値、さらには国内外の先行事例をまとめ、エンジニアとCSチームに共有。 開発観点や、日々ユーザーと最前線で接しているチームとしての観点からフィードバックをもらい、おおよその機能の方向性をまとめます。

通常は他の開発との優先順位を整理し、いつやるのかを決めることになりますが、 Kyash Cardの発行によって決済の上限額が大きく引き上げられることもあって、安心して利用してもらうために同時にリリースする必要があるという結論になり、正式に開発がスタートすることとなりました。

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要件テンプレート

自分のお金を自分でコントロールできる

カード設定機能は一言で分かりやすく表現すると、「安心してカードを使うための機能」です。

ただ、私たちが最後までこだわったのは、「セキュリティ」や「管理」といった締め付けや制限を少しでも連想させるような、負のニュアンスにはしたくないということでした。 「セキュリティ」という言葉を使う方が端的で伝わりやすいのでは、という議論をしながら、Kyashが機能を提供するならどうあるべきかを追求していきました。

普通のクレジットカードであれば、コールセンターに電話して、必要な情報を用意して、場合によっては審査を待って、という手間がかかり面倒なところを、Kyashであればスマホでアプリを立ち上げて数タップでカードの設定変更が完了する手軽さ、フリクションの低さ。

「自分のお金の利用状況を自分のものにする」=コントロールできることこそが本来の価値であるということは、プロジェクトを進める中で特に意識していた部分です。

そんなこだわりはデザインにも当然反映されるもので、初期の私の要件メモには「あまり素っ気ないデザインにはしたくない」と一言記載が。今冷静に見ると全く意味が分かりませんね。。 このような私のメモから始まり、本来の要望を汲み取ってデザインに落とし実装してくれるデザイナーとモバイルエンジニアはとても心強く、日々感謝しています。

上限金額の指定はキーボードで手入力が良いのでは?とも考えていましたが、直感的に操作できるスライダーでの設定に着地しました。

安心してカードを使うための機能というだけでなく、「自分のお金を自分でコントロールできる機能」がKyashのカード設定です。

今後考えていること

「お金をまもる」をスマホひとつで。 これはKyashのストーリーテラーが考えてくれた、カード設定を表すコピーです。 スマホひとつでお金を守ることができるよう、カード設定機能についてはまだまだ拡張していきたいと考えてます。

  • マグストライプ決済、非接触決済のON/OFF
  • より簡単にカードロックの設定・解除ができる、○分後に設定が自動で解除される、といった細かな改善
  • 不審な決済を検知した際の通知方法、通知内容の改善

など、手軽に・スマホで・安心をコントロールできるような機能を引き続き考えてまいります。

おまけ

今回Kyashでは、初めて機能を紹介する短いmovieを作りました。

もともと持っていた課題感として、「良い機能は作ってるけど、伝わってなくない?」「思った通りに使われてないね」というものがありました。 これは、実際の利用頻度や日々の問い合わせ件数といった定量データや、ユーザーインタビューなどの定性データからみても感じることでした。

機能をきちんと伝えていこう!という機運の高まりと、頻度高くリリースする新機能をうまく簡潔に伝えている他社movieを見つけたことをきっかけに、「僕たちもまずは小さくはじめてみようか!」と3人のメンバーでmovie制作プロジェクトをスタートしたのでした。 こういった勢いで決まった取り組みも、Kibelaに書いて意見を募りつつ記録を残しながら進めています。

3人が思い描くイメージをすり合わせ、ストーリーテラーが20秒で伝わる言葉を考え、デザイナーが形にしてくれたカード設定紹介movie、ぜひご覧いただけたら幸いです。